海外(中国)からの学校給食の視察を受け入れました

2015年6月21日、中国CDC(疾病予防管理センター:中国語名 中国疾病預防控制中心)の研究員が、日本の学校給食視察のため来日し、田中延子(京都府立大学和食文化研究センター客員教授、淑徳大学看護栄養学部客員教授、株式会社オフィス田中代表取締役)及び弊社スタッフが同行して視察をサポートしました。

目的

中国では、学校給食制度策定を検討している段階で、先進的な日本の学校給食制度を視察し、学校給食関係者との意見交換を通して、学校給食の実施及び農村部の児童生徒の低栄養等の課題解決につなげることが視察目的です。

視察内容

3日間にわたって、東京都、埼玉県の小中学校、学校給食センター、生産農家等を訪問しました。文部科学省では日本の学校給食制度及び食に関する指導について説明を受けました。

視察サポート風景


視察に訪れた中国CDCの研究員張氏は、次のように述べました。

「中国衛生部の下にある国家研究省で、衛生部と教育部に関連する法律の検討と専門的な知識の指導が、私の主な仕事です。2011年に中国本土における学校給食の計画に関する法令が制定されました。中国の22省699県、3,200万人の児童生徒に学校給食を提供していますが、中国農村部はとても広いので、まだ極めて少ない状況です。日本では、1950年代から国の施策として学校給食を実施し、すばらしい学校給食システムが確立されているので、様々なことを学ばせていただきたいと思い、来日しました。今回の視察で得られた情報を持ち帰り、中国での学校給食の実施や、栄養改善に役立てたいと考えています。快く受け入れてくださった関係各位のご厚意に感謝しています。」


中国における学校給食の現状(参考)

中国は、急速な経済発展を遂げてきているが、一方、都市と農村、東部と西部における経済発展の格差の拡大が指摘されている。この経済発展の格差は、国民や小中学生の栄養と健康の状態にも色濃く反映されている。
農村と西部地区においては、栄養素の摂取不足という栄養不良問題が広い範囲にわたって存在しており、このことが、これらの地域の経済と社会の発展に大きな制約を与える要因となっている。農村の貧困地区では、この栄養不良問題が深刻である。一方、都市と東部地区においては、栄養素摂取のアンバランスという栄養不良が、経済と社会の発展の新たな段階において突出した問題となっており、冠状心疾患、ガン、糖尿病、高血圧、脳卒中など、栄養状態に関わる慢性疾病が 増加している。
(ALIC 2005年10月「畜産の情報(海外編)」中国における学校給食の現状 より)