田中延子コラム

フィリピンのNPOセブンスピリットを訪ねて

フィリピンには東南アジア最大のゴミの山(スモーキーマウンテン)があり、そこで生活するスカベンジャー(ゴミの中から廃品回収を行い僅かな日銭を稼ぐ貧民)がいます。

皆様の中でも何度かTV等で見聞きされた方もいらっしゃるかと思います。その中でもリゾートのイメージが強いセブ島にて、ある日本のNPOの取り組みがNHKにて幾度か放送されました。

NPO法人《セブンスピリット》http://seven-spirit.or.jp/です。

我がNPOの取組とおおいに共通する部分、ライフスキル教育※への取り組みとその成果を実感したく、その活動を実際に尋ねてきました。

※ライフスキルとは?…「日常で生じるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力」と定義されます。(WHO 世界保健機関による)

セブンスピリットでは、子ども達が自分らしさを見つけて、描いた夢や希望の実現に向けて、建設的にチャレンジし続けられ、子ども達が「自分自身を」を生きていることを理解し、豊かな表現力で伝え合い、生産的なコミュニティ形成の実現のために、お互いの役割を見つけ果たし合っていける環境作りを推進。 これらのスキルを身につける為に効果的である、音楽活動とスポーツ活動を子ども達に実施しています。(セブンスピリットホームページより抜粋)

尋ねたのは、Cebuの中心にほど近いHeritage Of Cebu Foundation の目の前セブンイレブンの二階に事務所兼演奏練習所。この地区は旧市街地に当たる地区で、貧富の差がある家庭の子どもたちが一緒に演奏に取り組んでいました。小学校に通えない子ども達には家庭訪問する等し、地道な活動の結果、音楽教室に通い始めた児童生徒は100%学校に通うことができているとのことでした。

ごみの山近くの活動では、子ども達に食事の提供もしており、貧しい子ども達が持て余した時間を悪しきことに使う伝播をとめるため、 集まってスポーツや音楽をできるよう活動の輪を広げています。

事務局長の永田さんはトロンボーン奏者で音楽の力を信じるハートフルな方。親切に子ども達の様子や、会のご案内頂き、最後はアニメ「となりのトトロ」の演奏をプレゼントしていただきました。ぜひこれからもこの活動に長く関わり続け、子どもたちの成長を一緒に見守っていきたいとおっしゃっていました。

食を通して、子ども達の自立をめざす、我々の活動と相通ずるものを強く感じました。