2021年度(令和3年度)学校給食における食中毒発生状況

文部科学省の資料によると、2021年度の学校給食における食中毒発生状況は、原因菌等を下痢原性大腸菌(推定)とする1件、ウエルシュ菌とする1件、ヒスタミンとする1件の計3件でした。以下の通り情報共有します。

1.富山県

発生日 :2021年(令和3年)6月17日
設置者 :富山市他
有症者数:1896名(教職員含む)
原因菌等:下痢原性大腸菌(推定)
発生原因:牛乳

本件原因食品は学送品の牛乳でした。製造者の衛生管理に対する監督が課題となります。保健所等関係機関との連携のもとHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が実施されているかを確認する書類の提出を求めることなども必要です。

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2.福井県

発生日 :2021年(令和3年)10月20日
設置者 :越前市
有症者数:41名(教職員2名)
原因菌等:ウエルシュ菌
発生原因:学校で調整された給食

越前市では中学校給食を全面委託方式で導入しています。給食会社のセントラルキッチンで調理し、学校ごとのパントリーで調整していること、またセントラルキッチンから配送された他の受配校では事故が発生していないため、上記のような表現になったものと推察します。全面委託の場合でも学校給食の衛生管理は、学校給食衛生管理基準の対象となりますので、その監督とバックアップが重要となります。

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3.鹿児島県

発生日 :2022年(令和4年)1月12日
設置者 :霧島市
有症者数:38名(教職員9名)
原因菌等:ヒスタミン
発生原因:ブリの切り身

鹿児島県の発表ではブリの照り焼きが原因食品とされていました。ご存じの通り原料段階でもヒスタミンが生成される可能性があり、一度生成されたヒスタミンは、調理時の加熱等では分解されません。給食調理場における温度管理はもちろん、納品業者の選定も含めて衛生管理の状況を確認しておくことが重要です。