田中延子コラム

フィジー語学留学つれづれNo3 

日本の皆様、いかがお過ごしですか?世界的に、コロナウイルスの感染が拡がり、健康は勿論のこと経済的な影響も心配されます。さて、私のフィジー生活も3週間が過ぎ、帰国までに10日を切りました。暑いのとホームスティ生活なので行動は制限される反面、日本にいる時とは違い、ゆったりと時間が過ぎて行きます。

1 ホームスティ

3月になって、時々シャワーのような雨が降るようになりました。雨は鬱陶しいのですが、朝夕涼しくなり、熟睡できるようになってきました。

先週は、Charlesが頭痛で2日間事務所を休みました。途端に家は火の消えたようになり、やっと回復したと思ったら、次は肩こりで、辛そうです。Darrylも隣のおばさまも優しくマッサージをしてあげるのですが、一向によくならず、不機嫌です。いよいよ私の出番かと思い、「私が揉んであげましょうか?」と言ったら、よほど辛かったのか、即座に背中を向けました。肉厚なフィジアンなので渾身の力をいれて肩を揉んだら、相当痛かったのか、‟So hard“ と言うので、「もう少し弱い方が良い?」と聞いたら‟hard one nice!”と言うので、2日間、朝と夕食後に10分程度、揉んであげました。毎朝、学校まで送ってくれる心ばかりのお礼です。強く揉むのは揉み返しがあって良くないそうですが、体格の良いフィジアンなので、少しばかりハードでも問題はなさそうです。私のお蔭で(?)Charlesが元気になり、家の中が明るくなりました。めでたしめでたしです。

そういえば、朝の挨拶でしょうか、今朝、Charles(46歳) とDarryl(19歳)がしっかりハグしているのを目撃しました。大きな男のしっかりハグは初めて見たので、少しドギマギして見ないふりをしました。このように家族が仲良しで何不自由ないように見えるGray家ですが、10年前にMichelleという可愛い2歳の女の子を心臓病で亡くしており、このことが家族に暗い影を落としています。また、Theresaは2年前に腎臓移植を受けており、無理のできない体です。フィジーでは、なぜか腎臓病が多いようです。おまけにCharlesのたった一人の弟は、数年前に幼い子供(小さいCharlesとMarguerite)を残して妻がran awayしてしまい(フィジーではよくあることだそうです)その後、Girl friendとの間に3歳の娘が出来て、現在三人はオーストラリアで暮らしています。小さいCharlesとMargueriteは、もう少ししたら、オーストラリアに行くのだそうです。大人の事情に巻き込まれて、子どもは辛い思いをしますね。

3月8日(日)は、お天気が良かったので、Theresaが指揮し、CharlesとDarrylが重たいソファーやカーペットを外に運んで天日干しにしました。また、Charlesの父Johnの誕生パーティをするため、夫婦でご馳走を作っていました。フィジアン男性は当然のように家事をします。午後からはFamilyが集まってきて、お父さんの65歳の誕生日を祝っていました。Charlesが46歳で上にお姉さんが二人います。一体、幾つで結婚したのでしょうか?複雑な事情があるかもしれないので、追求はしないことにしました。

天日干しするためにソファを運び出す親子

Charlesのパパの誕生日に集まった家族と料理

2 学校

Colors English Schoolは日本人経営の学校で学生は日本人ばかりですし、少人数でもあり、皆、仲良しです。それゆえに瞬く間に情報が拡散し、私の年齢も知られているようで、比較的年齢の高い方からは「貴女を見ていると、諦めずに生きていく勇気をもらった。」とか、若い学生からは「先生の年齢になって、先生みたいに生きていたいので、日本に帰ったらちゃんと生きようと思う。」等、様々なコメントをいただき、皆さんが前向きに生きるためのお役に立つならば、それはそれで有難いことですが、私としては年齢という箍(タガ)をはめずに生きていたいだけです。「自分を諦めず、チャレンジを続ければ、幾つになっても成長する」と言うのが私の持論です。

男性のフォーマルウエア「Sulu」

このように、学校では、若い人たちから「先生」と呼ばれています。もっとも、大学で教えている学生とほとんど同じくらいの年齢なので違和感はありません。ニュージーランドやカナダに留学していた時にはサウジアラビア人から‟Teacher”と呼ばれていました。彼らは、私の解答を盗み見するために、‟Teacher” ‟Best friend”等と言って、いつも私の隣に座ろうとしていました。

こんな小さな学校にもいろいろな人間模様があり、興味深いです。20歳そこそこなのに、煙草もお酒も飲み、言動も上品とは言えないのですが、時々大人びた判断をし、頭の回転は良さそうなのに、パソコンは全くできない等、アンバランスだけれど皆に好かれている女子がいます。父親が母親の妹と深い中になっているのを、幼かった彼女がたまたま携帯電話を見て発見し、母親に言ったら、大騒動になり、父親が彼女をバイクに乗せて離れたファミレスに連れていき「家もおばさんの家庭も壊れたのはお前のせいだ!」と言って、置き去りにしたのだそうです。その後、父親はran awayし、母子家庭になったということです。その時の父親の行動が、妙に滑稽で印象に残った話です。

3 アクティビティ

学生たちは、週末のアクティビティに精力を注いでいます。先週はケーブルに金具を通して谷から谷を渡るジップラインとバーベキューに行きました。日光アレルギーの私は、BBQのみ参加しました。いい年をして怪我でもしたら恥ずかしいですしね。

ジップライン

翌日も元気な若者たちは、ビーチに行ったものの無謀にも紫外線のプロテクトをしなかったために、顔や背中が火傷の状態になり、月曜日は一日中「痛い、痛い」と騒いでいました。フィジーの紫外線は強烈です。

顔を冷やしている日焼け二人組

このように、1年に4~8週間程度、小刻みに英語留学を続けて5年になりますが、最近は目標のDoとDoes、5W1Hを使った会話がようやく出来るようになりました(えっ、そのレベルと言わないで!)。文法はある程度理解しているのに、Speakingに生かせないのが情けないです。では、次回もお楽しみに。(田中延子)