座間市中学校給食(選択式)における食中毒の発生について

先月(2022年5月)、学校給食における食中毒が発生しましたので情報共有します。

神奈川県は5月25日、座間市内の5中学校で生徒や職員計59人が、腹痛や下痢などの症状を訴え、給食を原因とする食中毒と断定し、製造者の民間2施設を営業禁止としたことを発表しました。

県の発表によると、5月20日(金曜日)、座間市教育委員会から、「同じ給食弁当を食べた複数の中学校の生徒と職員が腹痛、下痢等の症状を呈している。」旨の連絡が厚木保健福祉事務所にありました。当該給食弁当を調理している飲食店を所管する厚木保健福祉事務所大和センターで調査を行ったところ、食中毒様症状を呈している人の共通の食事がこの飲食店が提供した給食弁当だけであること、症状が共通していること、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、この飲食店が提供した給食弁当を原因とするウエルシュ菌による食中毒と断定しました。※以下摂食者数、有症者数、入院者数は座間市報道資料に拠ります。

1 摂食者数 771名(市内6校中5校、1校は当日給食なし)

2 有症者数 249名

3 入院者数  0名

4 主な症状 腹痛、下痢など

5 原因施設 飲食店(営業許可業種)

6 原因食品 調査中
5月19日(木曜日)に提供されたメニュー
チキンのプロバンス風、じゃが芋とツナのカレー炒め、パスタサラダ、
マンゴーゼリー

7 病因物質 ウエルシュ菌

8 措置   原因施設に対して、5月25日(水曜日)から営業禁止
(同施設は、5月21日(土曜日)から営業を自粛)
5月27日(金曜日)営業禁止解除

一昨年の八潮市(埼玉県)、昨年の越前市(福井県)に続き、今年も完全委託方式の学校給食で事故が発生したことになります。また、越前市、座間市ではいずれもウエルシュ菌を原因とする食中毒です。

座間市では2017年度(平成29)年2学期から選択制給食が導入されていました。平成21年4月1日付「学校給食衛生管理基準の施行について(通知)」では。総則に、「調理等の委託を行う場合」も本基準の対象となることを明記したことが書かれています。

今日では完全委託などの形態も見られますが、学校給食法上の学校給食として位置づけられているのであれば、学校給食衛生管理基準に沿った衛生管理が求められるものですし、衛生管理上の問題がある場合には設置者が自らの責任において速やかに改善措置を図ることが必要です。