「八潮市学校給食ビジョン中間報告(案)」に対する意見募集

 令和2年6月26日、埼玉県八潮市において全面委託方式の給食調理場で調理した学校給食を原因食品とする大規模な食中毒事故(有症者数:3,453名(小学生2,072名、中学生1,167名、教職員214名)が発生しました。この事故を受け、同市では有識者、学校関係者等で構成する「八潮市学校給食審議会」を設置するとともに、「今後の学校給食のあり方」について同年8月28日に諮問し、全6回の会議を経て、同年11月4日に答申を受けました。

 同市教育委員会ではこの答申の内容を踏まえ、同市の学校給食の将来構想とする「八潮市学校給食ビジョン」を策定するため、7月29日にその中間報告(案)が開示され、8月4日からパブリックコメントの募集が始まりますので、その情報を共有します。

八潮市:「八潮市学校給食ビジョン中間報告(案)」に対する意見募集
https://www.city.yashio.lg.jp/shisei/shiminsankaku/public_comment/ikenboshu/bijyon-iken.html

【参考】オフィス田中:八潮市の学校給食における病原大腸菌食中毒について~なぜ、前日調理が行われたのだろうか~
https://school-lunch-support.jp/eisei/2520/

養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議について

 文部科学省では現在、中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会での議論を受けて、「養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議」が開催されています。これまでに令和4年4月25日、同年年6月7日の2回開催されており、その会議資料、議事録が開示されていますので共有します。

会議の趣旨
「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方に係る議論の動向並びに当面する学校保健及び食育に関する課題等を踏まえ、養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に向けた検討を行う。

検討事項
・養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上のための方策について
・その他関連する指導体制、環境整備等について

文部科学省:養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/178/

文部科学省:健康教育・食育行政担当者連絡協議会資料

5月31日、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課主催の令和4年度健康教育・食育行政担当者連絡協議会が開催され、その資料が開示されましたので共有します。

都道府県及び指定都市教育委員会の指導主事、学校保健技師、担当係長等を対象として、健康教育・食育に関する諸問題について連絡協議し、もって当該行政の円滑な推進を図る事を目的として実施されています。

文部科学省:健康教育・食育行政担当者連絡協議会

座間市中学校給食(選択式)における食中毒の発生について

先月(2022年5月)、学校給食における食中毒が発生しましたので情報共有します。

神奈川県は5月25日、座間市内の5中学校で生徒や職員計59人が、腹痛や下痢などの症状を訴え、給食を原因とする食中毒と断定し、製造者の民間2施設を営業禁止としたことを発表しました。

県の発表によると、5月20日(金曜日)、座間市教育委員会から、「同じ給食弁当を食べた複数の中学校の生徒と職員が腹痛、下痢等の症状を呈している。」旨の連絡が厚木保健福祉事務所にありました。当該給食弁当を調理している飲食店を所管する厚木保健福祉事務所大和センターで調査を行ったところ、食中毒様症状を呈している人の共通の食事がこの飲食店が提供した給食弁当だけであること、症状が共通していること、患者を診察した医師から食中毒の届出があったことから、この飲食店が提供した給食弁当を原因とするウエルシュ菌による食中毒と断定しました。※以下摂食者数、有症者数、入院者数は座間市報道資料に拠ります。

1 摂食者数 771名(市内6校中5校、1校は当日給食なし)

2 有症者数 249名

3 入院者数  0名

4 主な症状 腹痛、下痢など

5 原因施設 飲食店(営業許可業種)

6 原因食品 調査中
5月19日(木曜日)に提供されたメニュー
チキンのプロバンス風、じゃが芋とツナのカレー炒め、パスタサラダ、
マンゴーゼリー

7 病因物質 ウエルシュ菌

8 措置   原因施設に対して、5月25日(水曜日)から営業禁止
(同施設は、5月21日(土曜日)から営業を自粛)
5月27日(金曜日)営業禁止解除

一昨年の八潮市(埼玉県)、昨年の越前市(福井県)に続き、今年も完全委託方式の学校給食で事故が発生したことになります。また、越前市、座間市ではいずれもウエルシュ菌を原因とする食中毒です。

座間市では2017年度(平成29)年2学期から選択制給食が導入されていました。平成21年4月1日付「学校給食衛生管理基準の施行について(通知)」では。総則に、「調理等の委託を行う場合」も本基準の対象となることを明記したことが書かれています。

今日では完全委託などの形態も見られますが、学校給食法上の学校給食として位置づけられているのであれば、学校給食衛生管理基準に沿った衛生管理が求められるものですし、衛生管理上の問題がある場合には設置者が自らの責任において速やかに改善措置を図ることが必要です。

3.食中毒発生状況(2022年6月7日更新)

~目次~

1.学習指導要領における食育の推進
2.学校給食摂取基準
3.食中毒発生状況
1)学校給食で発生の多い食中毒原因物質(平成8~令和元年度)
2)年度別食中毒発生状況(平成8~令和元年度)
3)学校給食による食中毒発生状況等(平成26~令和元年度)
4.学校給食実施状況等
5.学校給食調理員数の推移(昭和&平成)
6.関係法令

 

3.食中毒発生状況

学校給食における食中毒発生状況

2022年6月7日更新

 

 

2021年度(令和3年度)学校給食における食中毒発生状況

文部科学省の資料によると、2021年度の学校給食における食中毒発生状況は、原因菌等を下痢原性大腸菌(推定)とする1件、ウエルシュ菌とする1件、ヒスタミンとする1件の計3件でした。以下の通り情報共有します。

1.富山県

発生日 :2021年(令和3年)6月17日
設置者 :富山市他
有症者数:1896名(教職員含む)
原因菌等:下痢原性大腸菌(推定)
発生原因:牛乳

本件原因食品は学送品の牛乳でした。製造者の衛生管理に対する監督が課題となります。保健所等関係機関との連携のもとHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が実施されているかを確認する書類の提出を求めることなども必要です。

——

2.福井県

発生日 :2021年(令和3年)10月20日
設置者 :越前市
有症者数:41名(教職員2名)
原因菌等:ウエルシュ菌
発生原因:学校で調整された給食

越前市では中学校給食を全面委託方式で導入しています。給食会社のセントラルキッチンで調理し、学校ごとのパントリーで調整していること、またセントラルキッチンから配送された他の受配校では事故が発生していないため、上記のような表現になったものと推察します。全面委託の場合でも学校給食の衛生管理は、学校給食衛生管理基準の対象となりますので、その監督とバックアップが重要となります。

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3.鹿児島県

発生日 :2022年(令和4年)1月12日
設置者 :霧島市
有症者数:38名(教職員9名)
原因菌等:ヒスタミン
発生原因:ブリの切り身

鹿児島県の発表ではブリの照り焼きが原因食品とされていました。ご存じの通り原料段階でもヒスタミンが生成される可能性があり、一度生成されたヒスタミンは、調理時の加熱等では分解されません。給食調理場における温度管理はもちろん、納品業者の選定も含めて衛生管理の状況を確認しておくことが重要です。

第63回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会の開催要項が発表されました

大分県教育委員会から第63回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会の開催要項が発表されました。日本一のおんせん県・大分で学校給食関係の皆さまとお会いすることを楽しみにしておりましたが、今年も新型コロナウイルスの感染防止の観点からオンライン開催となりました。

期日:令和4年8月4日(木曜日)及び8月5日(金曜日)
参加費:大会参加費 5,000円
題:『栄養教諭を中核とした学校における食育の推進』~大分から全国へ うまい・楽しい・元気な食育~

見逃し配信も8 月下旬に配信予定だそうです。

※6月17日追記:申込締切が令和4年6月15日(水)と紹介しておりましたが、参加登録締切日が令和4年6月30日(木)まで延長になりましたのでご承知おきください。

申し込みサイト:株式会社日本旅行「第63回全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会」の参加登録サイト https://va.apollon.nta.co.jp/2022zenkokueiyo/

4月11日(日)23時から「サンスター文化の泉」に田中が出演し、学校給食についてお話しします。

パーソナリティ 宮崎美子さん、進行 石澤典夫氏

「戦後の子供たちの命を救った学校給食のはなし」と題し、戦後の導入期から歴史を振り返ると共に、その時々の社会情勢が給食に与えた影響などについてお話しします。

世代により懐かしい脱脂粉乳、揚げパン、クジラの竜田揚げ、ソフト麺、米飯給食など特徴的なメニューについてもリスナーと思い出を共有できたらと思います。

学校給食は、もはや日本の食文化の一部を形成しています。また、2020年の春には、コロナの感染拡大によって休校になり、学校給食が提供されないことで、子どもたちの栄養摂取が危ぶまれるなど、学校給食の役割はとても重要です。未来への展望もあわせてお話しします。

地方によっては放送時間が異なりますので、番組表でご確認ください。

 

6.関係法令

~目次~

1.学習指導要領における食育の推進
2.学校給食摂取基準
3.食中毒発生状況
1)学校給食で発生の多い食中毒原因物質(平成8~令和元年度)
2)年度別食中毒発生状況(平成8~令和元年度)
3)学校給食による食中毒発生状況等(平成26~令和元年度)
4.学校給食実施状況等
5.学校給食調理員数の推移(昭和&平成)
6.関係法令

 

6.関係法令

5.学校給食調理員数の推移(昭和&平成)

~目次~

1.学習指導要領における食育の推進
2.学校給食摂取基準
3.食中毒発生状況
1)学校給食で発生の多い食中毒原因物質(平成8~令和元年度)
2)年度別食中毒発生状況(平成8~令和元年度)
3)学校給食による食中毒発生状況等(平成26~令和元年度)
4.学校給食実施状況等
5.学校給食調理員数の推移(昭和&平成)
6.関係法令

 

5.学校給食調理員数の推移