京都府立大学京都和食文化研究センター「食と健康の科学」において「子どもに対する食育の重要性」「世界が絶賛する日本の学校給食」について講義しました

2017年4月24日、5月22日の両日、京都府立大学、京都府立医科大学、京都工芸繊維大学の学生180名が聴講しました。

「食と健康の科学」は日本人の食と健康の現状を、疫学、調理学、食品科学などの科学的な観点に文化的・歴史的観点を含めてオムニバス形式で概説する講座です。ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食:日本人の伝統的な食文化」の意義を知り、我が国の食の将来について考察する能力を養うことを目的としています。

■講義の内容及び学生の意見

講義は、「居眠り禁止」で、学生との対話を大切にしながら進めています。

〇4月24日:「子どもに対する食育の重要性」

少子高齢化社会を将来支える子どもたち(学生も)にとって健康に生きる基礎である「食」は極めて重要であることをデータに基づき、講義しました。学生からは、「子どもへの食育の大切さが理解できた」「自分の食生活を見直す機会となった」などの意見とともに栄養バランスが良くて、しかも簡単にできる料理を教えてほしいなどの質問が多数ありました。

〇5月22日:「世界が絶賛する日本の学校給食」

世界で最も優れていると言われる、日本の学校給食制度や教育に位置づけられた経緯等について講義しました。学生からは、次のような意見がありました。「学校給食の意義・役割について知っていたら、給食の食べ方も変わっていたと思う」「将来子どもが生まれ、学校給食を食べるようになったら、その時に今日学んだことを伝えてあげたい」

また、一週間前が、昨年9月28日の週刊現代※「学校給食」の不都合な真実・・・こんなものを子供に与えていいわけがない!において登場した「菊乃井」店主・村田吉弘氏の講義でした。相反する内容の講義を受けた学生たちがどのような判断をしたのか興味がありましたが、振り返り票には、次のような感想が書かれていました。

・前回の村田先生の授業があって、今回の田中先生の授業(笑)でしたが、前回の授業の疑問   点が解決されていって、おもしろく、スッキリしました

・日本の給食が危機的状況であるということを先週あれほど聞いたのに、今週はめっちゃ自慢げで、見方によってこんなに変わるんだと思った。

・お二人の主張もわかりますが、正しい内容で折り合いをつけていただけたらと願っております。

週刊現代:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49763

 

 

千葉県栄養教諭・学校栄養職員の研修会において、学校給食の衛生管理について講演を行いました

千葉県栄養教諭・学校栄養職員を対象とした研修会において、学校給食の衛生管理について講演しました。

 

■開催日 2017年4月21日

■主催 千葉県学校栄養士会

■会場 千葉県教育会館

■講演テーマ 「学校給食の衛生管理~なぜを追求する~」

■対象者 千葉県栄養教諭、学校栄養職員(小・中・高・特別支援学校)

■講師  代表取締役 田中延子

 

和歌山県御坊市や東京都立川市において発生した食中毒を踏まえ、ノロウイルスによる食中毒を防止するための対策や衛生管理をより充実させるためにはエビデンスや理由を明確にし、調理従事者と共通認識に立って取り組むことの重要性について説明しました。

また、ノロウイルス感染症が地域で多発している際の対応として、2回手洗いの有効性や必要に応じて和え物や生食を加熱調理に変更するなど、万全の対策をとることについてもレクチャーしました。

講演終了後、栄養教諭・学校栄養職員の皆さんから「もっと、ずーっと聞いていたかった!」と言っていただきました。( ´艸`)

小学校給食の学校栄養士(学校栄養職員)、給食管理員、給食調理員を対象とした衛生管理研修において講演を行いました

小学校給食の学校栄養士(学校栄養職員)、給食管理員、給食調理員を対象とした衛生管理研修において講演を行いました。

■開催日 2017年3月28日

■主催 八王子市教育委員会保健給食課

■会場 八王子市教育センター

■講演テーマ 「小学校給食における衛生管理について」

■対象者 小学校給食の栄養士、給食管理員、給食調理員

■講師  代表取締役 田中延子

 

八王子市中学校給食は多くがデリバリーランチのため、小学校の調理従事者を対象に最近の食中毒事例やノロウイルス感染症流行時の対応、作業動線図と作業工程表の正しい作成方法等について講義しました。

終了後、「とても分かりやすかった」と調理員さんに声をかけていただき、田中は喜んでいました。

 

企業の営業担当者対象のHACCP研修で講義しました

2017年4月12日・13日に企業のHACCPプランナー研修で「日本の学校給食制度と衛生管理」について講義しました。

学校給食が教育に位置づけられた歴史や、世界に冠たる学校給食制度及び文部科学省在任中に作成した「学校給食衛生管理マニュアル」について説明を行いました。

今回は、研修参加者との意見交換や質疑応答も活発に行われました。

参加者の方々が学校給食について、より理解を深め、営業活動に役立てていただけることを期待します。

 

 

都立の学校給食業務受託者対象の衛生管理に関する研修会において講演を行いました

都立の学校給食業務受託者を対象とした衛生管理に関する研修会で講演しました。

■開催日 2017年3月31日、4月3日

■主催 公益財団法人東京都学校給食会

■会場 東京都学校給食会館 国立オリンピック記念青少年総合センター

■講演テーマ 「学校給食における衛生管理~「なぜ」を追求する~」

■対象者 都立学校調理業務受託者の全従事者

■講師  株式会社オフィス田中 代表取締役 田中延子

新年度の学校給食開始に向けて、食中毒防止や衛生管理の基礎・基本を再確認していただくために講演しました。
参加者の方々には常にエビデンスや根拠を明確にした調理や衛生管理に努め、美味しくて安全な給食を提供していただくことを期待します。

 

 

英語のホームページができました

日本の学校給食について紹介する、英語のホームページができました。
海外の方々との情報交換にご活用ください。

本サイト右上の「English」ボタンから、英語ホームページに移ることができます。

現在、英訳を掲載しているのは、学校給食法、学校給食実施基準、学校給食実施率等です。
今後も、英語ホームページを充実していきたいと考えています。
掲載してほしい情報、ご意見等がありましたら、本サイトの「お問い合わせ」からお知らせくださいますよう、お願いいたします。

学校給食法(英語ホームページより抜粋)

 

調理従事者の学校給食喫食禁止について

1月から3月末まで、海外に滞在している。海外に居ても常に学校給食に関する報道は気がかりである。1月末から2月にかけて、御坊市、立川市、小平市の学校給食で連続して食中毒が発生し、学校給食の信頼が失墜するのではないかと心配していた。しかし、東京都の保健福祉局が「刻み海苔」を原因食品として究明したのには、拍手喝采、流石、東京都の食品衛生部局は優秀である。

反面、和歌山県が食中毒の原因究明のため、原則として調理従事者の喫食を禁止する判断をしたという報道には驚いた。

学校給食は一義的には「美味しい給食を安全に提供すること」が大切であって、食中毒事故の調査のために調理従事者の喫食を禁止することは、「美味しさ」を犠牲にすることにも繋がり、本末転倒と言わざるを得ない。

調理従事者は、自身が調理した給食の出来上がりや時間をおいて変化する味、主菜・副菜及び量などのバランス等の確認を行い、児童生徒の側に立って修正を加えることで、児童生徒に喜ばれる美味しい給食づくりが可能になる。児童生徒にとっては「安全な給食」は当然のことであり、「美味しい給食」でなければ、食育の教材になるはずもない。

このことから、文部科学省の学校給食衛生管理基準においては、検便を月2回以上と日々の健康調査を行うという条件を付して、調理従事者の喫食を許可している。

安全・安心な学校給食を提供するためには、事故を起こさない対策を講じることが最も大切であり、加工業者等を含めた調理従事者に対する衛生管理の向上を図ることが重要である。くれぐれも、他の自治体が和歌山県に追随することのないよう、良識ある判断に期待したい。

次に心配されることは、食材の購入についてである。

今回の事件は、教育委員会が購入した食材によって食中毒が発生し、原因が究明されるまでの間、受託業者が蒙った被害は想像を超えるものであったと思う。しかし、この事件に乗じて、学校給食食材の購入を調理受託業者に渡すよう求める動きが出るのではないかと心配している。

献立作成は栄養教諭、学校栄養職員であり、その献立は教育委員会が承認している。例えば、快適で多機能な家を建てるとしよう。設計者が設計図に基づいて建材や機材、家具などを選定することによって、設計者の意図した住みやすい家が建築される。このたとえで言えば、献立は設計図である。献立作成者は、責任をもって、食材の選定を行い、自分の意図した給食が出来上がったのか、児童生徒が喜んで喫食しているのかどうかを確認する責任がある。

食材の購入に当たっては、購入する食材がどのような衛生管理のもとで製造されているのかを、確認するとともに、信頼できる納入業者の選定が望まれる。

私たちは、これまで、他の食中毒事件を教訓に衛生管理の向上を図ってきた。くれぐれも、過剰反応に陥らないよう冷静な判断を行うとともに、より一層の衛生管理の向上に期待したい。

被害に遭った子どもや教職員の一日も早い快復を祈っている。

『KEWPIE食だより』の「教えて!延子せんせい」で「マヨネーズを使ったサラダを給食で提供する時に留意すること」について解説しています

『KEWPIE食だより』が発行されました。給食の悩みや疑問を解決する「教えて!延子せんせい」コーナーがあり、田中延子が回答しています。今号の質問は「マヨネーズを使ったサラダの場合、加熱できないのでどうしたらよいでしょうか」という内容です。

他にも役立つ情報が掲載されていますので、ぜひご覧ください。特集のテーマは「やさいをおいしくマヨネーズ教室」です。

『KEWPIE食だより』 Vol.3 (季刊)

発 行 :キューピー株式会社 フードサービス部
企画制作&編集:学校食事研究会

記事はこちらからお読みください。(PDFが別に開きます)
表紙 P.1-2P.3-4P.5-6

『学校の食事』新年号の座談会⌈栄養教諭の未来⌋のコーディネーターをしました

『学校の食事』新年号の座談会「先輩栄養教諭の経験から学ぶ栄養教諭の未来」のコーディネーターを当社代表取締役 田中延子がつとめました。

栄養教諭・学校栄養職員が国庫負担職員として採用が決まった時期、及び栄養教諭制度が導入された時期という二つの節目を経験された先生方に、当時の貴重な体験や想いを語っていただきました。それらが、現在栄養教諭・学校栄養職員として勤務されている方々にとって、今後の方向性を示す指標になればと考えています。

テーマ 「先輩栄養教諭の経験から学ぶ栄養教諭の未来」
内 容
  • 学校栄養職員という職を選んだ動機
  • 勤務した当初、どんな苦労や想い、または喜びがあったか
  • 栄養教諭だからこそできること
  • 食育を行う上で欠かせない指導は何か
  • 後輩栄養教諭・学校栄養職員に期待すること 等

掲 載   『学校の食事』新年号 (発行:学校食事研究会)
学校の食事 座談会ダイジェスト版(PDFが別ウインドウで開きます)

本誌購入の場合は、書店または学校食事研究会までお問い合わせください。

学校食事研究会
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-9-5-316
Tel   03-3265-0377

 

小児栄養研究会「小児生活習慣病とアレルギー疾患」が、東京家政学院大学千代田キャンパスで開催されます

小児栄養研究会より、小児の生活習慣病とアレルギー疾患について、研究会のご案内をいただきましたのでお知らせします。専門家から貴重な情報を聞くことができる機会ですので、ぜひご参加ください。
概要は以下の通りです。詳細はこちらの案内をご覧ください。
日本小児栄養研究会「小児生活習慣病とアレルギー疾患」
日  時 : 2017年3月11日(土) 9:30-17:00
会  場:東京家政学院大学 千代田三番町キャンパス 1号館 5階 1508号室
参加費:3,000円(学生は無料)

事前申込制ではないので、当日のご参加も可能です。

お問合せ等は次の宛先にメールでお願いいたします。
日本小児栄養研究会 会長 原 光彦(東京家政学院大学 健康栄養学科教授)
Gmail: hara777@kasei-gakuin.ac.jp