田中延子コラム

語学留学つれづれ 3.語学学校

学校はカプランインターナショナル英語学校(Kaplan International English School)と言ってメルボルン市の中心部にあるため、通学はトラムで約1時間かかります。しかし、日本とは異なり、座ることはできるので、私はこの通学を結構、楽しんでいます。

初日に英語力のレベルを測るテストがあり、出来が悪かったと落ち込んでいたのですが、なぜか、レベルの高いクラスに入れられたため、分からない単語が多く、必ず予習復習をしています。

クラスには、スペイン、チリ、ロシア、コロンビア、タイ、ベトナム、ブラジル、中国、サウジアラビア、そして日本人3人がいます。殆どの学生が、英語力を身に付けて、スキルアップし、よい仕事を得る目的で来ており、遊学気分で来ているのは日本、中国、韓国の若者のみです。特に、2月末になると、春休みを利用して留学してくる日本の学生が増えてきますが、中には、授業をサボって、観光やショッピングに精力を注ぐ者もいます。1か月にかかる費用は学校とホームスティで40万、旅費で15万、小遣い20~30万円くらいですから、約80万円を無駄にしていることに、親は気づいているのでしょうか?

また、私と同時期に高知県から来た、「ともこ(仮名)」という、21歳の娘がいます。高校卒業後、ウエイトレスのアルバイトをして貯めたお金で、ひと月英語を学び、その後はオーストラリアで働く、英語がペラペラになるまでは帰らない、オーストラリアで彼をゲットすると言う意気込みですが、日本語、礼儀、食生活がめちゃくちゃなので、「ともこは英語を学ぶ前に日本語を学ばなくてはならないのでは?」と言っています。2週間後にはホームスティを出なくてはならないのに、家も仕事も見つからず、詰めの甘さを密かに心配しています。オーストラリアにはワーキングホリディの制度があるので、このような日本の若者が少なからずいますが、外国でお金を稼ぎ生活するのは、そんなに甘くはありません。その点ベトナムやタイの人たちは、大学出であってもカレーや春巻き作り、皿洗い、出前等、しかも低賃金も厭わずに働いています。これだけの覚悟がないと他国で働くことはできないと思われます。この4年間、留学してくる日本の若者を見てきましたが、残念ながら、日本の将来は、危ういと思うことが、多々あります。

また、面白いのはサウジアラビア人です。バンクーバーの時にも、メッカを守るポリスマンが国のお金で英語を学びにきていました。中には真面目に学ぶ人もいましたが、多くは、過程は重要ではなく結果だけを求めるので、人の答えを盗み見て自分が考えたかのように発言したり、プライドが高いので、明日にでも上のクラスに行くと豪語したりして、先生もクラスメイトも苦笑いしていたのですが、今回もまた、サウジーの男性が入ってきて、写メで答えを盗む、共同作業は簡単なものだけ行うで・・・・だんだん、皆も私も彼の隣に座ることを避けるようになりました。しかし、「Nobukoは僕のベストフレンドだ!僕のそばに来て!」と言い、憎めない人ですが、魂胆は見え透いています。